【ネタバレ】天気の子を評価・レビューしてみた!涙せずには語れない?

2019_0726 サムネ 映画

先日、新海誠さんが手がける最新映画『天気の子』を観てきました。

結論から言うと、何と言えばいいのかわからないのが正直なところです。

もちろん、大変素晴らしい映画だったことは間違いありませんし、周りから観に行くべきかと問われたら、ぜひ一度は観てほしいとも思います。

では、なぜ一概に「いい映画」だったと言えないのかというと、映画を観た直後と現在の考え方が大幅に変わってしまっているからです。

正直、映画を観た直後は「ん?これってどうなんだろう?」と思うところがありました。

それは心理描写だったりストーリーの進行、クライマックスからラストまでの展開などさまざまです。

しかし、映画を観て2日経過した現在は、なんだかそのモヤモヤも解消された気分に不思議となっています。

この何とも言えない感情の答えはまだ見つかっていません。

それでも、この映画の魅力を誰かに伝えたいと思い、今回このような記事を書いています。

最初に言っておきたいのが、僕はあくまで映画しか観ていないので、小説などの内容はまったく知りません。

また、何かのレビューをすること自体が初めてなので不快に思うところがあるかもしれませんが、その辺は大目に見ていただけると幸いです。

 

この先ネタバレ注意!

 

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評価が分かれる今作

僕は前情報はまったくない状態で天気の子を観に行きました。

映画を観た後、ほかの人たちの評価が気になりネットを覗いたところ、文字通り賛否両論といった印象を受けました。

その中で特に多かったのが前作の『君の名は。』との比較で、「天気の子のほうが好き」といった意見もたくさんありましたが、「君の名は。のほうが良かった」という人のほうが多かった印象です。

これに関しては個人の感じ方なのでなんとも言えませんが、それほど前作の『君の名は。』はたくさんの人たちの心を鷲掴みにしたと言えるのでしょう。

良かった点・悪かった点というのは個人の捉え方で変わってきます。

自分が映画を観ていて「あ、このシーン好きだな」と思ったとしても、隣にいる友達はあくびをしているかもしれません。

でも、僕はそれこそが映画の醍醐味だと思っています。

みんながみんな同じ捉え方や感じ方を持ってしまう映画は、果たしておもしろいと言えるのでしょうか?

「賛」があって「否」がある。互いに感想や指摘をし合って新たな発見や気づきを得られる。

それこそが最高の映画の楽しみ方だと僕は思います。

そういった意味では、僕は見事に新海誠さんの手中に収まっているのかもしれません(笑)

話が少し逸れましたが、この先は僕が『天気の子』を観て感じた良かった点と疑問に思った点を話していこうと思います。

映画『天気の子』の良かった点

①背景や情景の描写が美しすぎる!

新海誠さんの作品全般に言えることですが、とにかく背景や情景の描写が素晴らしすぎます。

雨の雫や雲の動き、ビルの美術まで、どれをとっても息を飲むほどの美しさです。

現実よりもリアルというのはまさにこのことで、現実に見た東京の景色よりも「美しい」と感じさせてくれます。

特に圧巻だったのが花火のシーンで、僕は瞬きをするのももったいないと思うほどでした。

今でもあのシーンは頭の中に鮮明に残っています。

②音楽が最適解!

前作の『君の名は。」と同様、新海誠×RADWIMPSのタッグが実現した今作。

『君の名は。』でも思ったことですが、僕は『君の名は。』以上に『天気の子』の音楽はRADWIMPSではないと成り立たなかったのではないかと思います。

それほど音楽によるメッセージを強く受け取りましたし、めちゃくちゃ興奮しました。

そして音楽を流すタイミングが完璧で、「愛にできることはまだあるかい」や「グランドエスケープ」が流れた時は鳥肌が止まりませんでしたね。

ずるいですよね、あれ(笑)

また、今回はRADWIMPSだけではなく、オーディションで選ばれた三浦透子さんも楽曲のいくつかに加わっています。

正直、僕は三浦透子さんを存じていなかったのですが、今ではもうファンです(笑)

それほど三浦透子さんの透き通った歌声に魅了されました。

この表現が正しいのかはわかりませんが、『天気の子』の音楽はRADWIMPSが最適解と言えるでしょう。

③声優がイメージとぴったり!

最近の映画では話題作りのためでもあるのかもしれませんが、人気俳優や女優を声優として起用することが増えてきています。

『君の名は。』でも、瀧くんの声を神木隆之介さんが担当したり、小野寺先輩は長澤まさみさんを起用したりしていましたね。

もちろん『天気の子』でも有名芸能人を起用していて、小栗旬さんや本田翼さん、平泉成さんといった大物が出演しています。

声優が本業ではないはずの方々ですが、僕の意見としては何の違和感もなく物語に集中できました。

特に女子大生の夏美を演じた本田翼さんは、予告が公開された時は酷評だった印象でした。

しかし蓋を開けてみると、本編公開前と公開後の評価は180度変わったと言っていいほどの手のひら返しでしたね。

また、梶裕貴さんや花澤香菜さん(花澤さんは言の葉の庭から3作連続出演)といった人気声優も出演していて、声優の起用に関しては文句の付けどころがないのではないでしょうか。

映画『天気の子』の気になった点

①感情移入がしづらい

僕が『天気の子』を観て気になった点の1つが、登場人物の各々に感情移入できなかった点です。

120分という枠の中に収めないといけないのは重々承知していますが、それでも登場人物の背景や心理描写にもう少し力を入れてもよかったのではないかとも思います。

特に気になったのが主人公の帆高が家を飛び出した理由で、親との関係が悪いことはわかりましたが、喧嘩のシーンや家を飛び出す発端となった部分があればもっと感情移入できたのでは?と思いました。

②登場人物の行動に違和感を覚える場面がいくつかあった

以下に僕が感じた違和感をまとめました。

・帆高が乗っていた船に須賀が乗船していたのはなぜ?

・帆高の絆創膏の理由は?

・帆高が船で「晴れ」ではなく「大雨」に歓喜したのはなぜ?

・陽菜が帆高に気持ち悪いと言って去った後にすぐ戻ってきた時の心境の変化は?

・死人や怪我人がでてもおかしくない大爆発を起こしたのに笑っていられるのはメンタル強すぎない?

・帆高が線路上を走っている時さすがに誰か止めれるのでは?

・凪が変装する時の女の子2人への連絡はどうやってとったの?

・帆高が廃ビルに来ることを須賀が知っていたのはどうして?(伏線を見逃していたらすみません)

・須賀が帆高を助ける時の変わりようが早すぎる?

・帆高が命の恩人の須賀に銃を向けるのはやりすぎ?(それほど陽菜と会いたかったとも言えるが)

ざっくりではありますが、以上が僕の気になった点になります。

もしかすると僕が見逃しているだけで、しっかりとした意味や伏線回収があったのであれば申し訳ありません。

アニメ映画にリアリティを求めるのはナンセンスだとも思いますが、その点を抜きにしても違和感が残りました。

ただ、これだけの違和感があっても物語が成立していたのも事実です。

どんなに素晴らしい映画でも違和感をゼロにすることは不可能だと思いますから、このくらいの妥協は必要なのかもしれません。

結局『天気の子』の評価は?

冒頭にも言った通り、現時点でこの映画の評価を決定するということは今の僕にはできません。

実はこの記事を書いている今現在でも変化し続けています(笑)

それでも「もう一度この映画を観たいか?」と聞かれたら答えはイエスです。

そういった意味では僕の評価はすでに決まっているかもしれませんね。

物語のラストも賛否が分かれるところではありますが、僕はあのラストは結構好きです。

ハッピーエンドとは言えませんし、続きが気になるモヤっとした感覚も残ります。

世界と天秤にかけて愛する人を選んだ2人の選択を肯定するつもりも否定するつもりもありません。

それでも

「世界なんてどうせもともと狂ってる」

ラストで須賀が言い放ったこの一言にすべて込められているのではないでしょうか。

一度は観てほしい『天気の子』

長々と感想を述べてきましたが、結局のところ自身の目で見ることが一番です。

この記事をここまで読み進めた方の多くは『天気の子』を観たことがある人たちかもしれません。

もしまだ観てないよという方がいらっしゃるのであれば、ぜひ一度自分自身の目で見ることをおすすめします。

そして映画を観る際は、あくまでフラットな状態でなるべくハードルを上げすぎないことです。

前作と比較したりしていたら思う存分楽しめないですよ。

まあ僕の場合、今作とか前作とか言ってる時点で比較してるんですけどね(笑)